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zoom RSS 短編『想人2199バージョン』

<<   作成日時 : 2014/12/07 00:53   >>

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 今日は、『星巡る方舟』の初日でした。
 2回目の今日は、エンディングを聞きながら、涙を流してしまいました。
 子どもの頃、ワクワクしながらヤマトを観ていた(そして、期待はずれだったり、共感できたり、涙したり)ことを思い出しました。今もかわらず、ワクワクして、同じように楽しんでいる(そして、今は一緒に楽しめる仲間もいるし)私がいます。
 新ピカで観た時もですが、今日も拍手をしました。
 大和ホテルの部分は、もうちょっと細かな人と人との描写があれば……と思ってしまったので、今回も、ちょっと書いてみました。『想人2199バージョン』を。あの大和ホテルの七日間の一日だと思ってください。(まだ2回しか観ていないので、話が破綻しているかも(-_-;))


『想人 2199バージョン』

 古代進は、この世界が、誰かによって、自分たちに見せられていいる世界であることに気づいていた。
「新見さん、あの時とは違いますよね」
 進は技術科士官である新見薫に話しかけた。
(あの時……)
 ガミラスによって、乗組員全員が幻を見せられていたときのことである。
 薫はあの時、守のとの出来事を見ていた。いつものようにふざけて、笑わせてくれた守。ガミラスに攻められ、地球には悲壮な未来しかないような時に、守はいつも目を輝かせていた。『あきらめない』……それが守だった。
 守がそんな風に生きていた大きな理由は、目の前にいる進の存在だった。
 進が首を少しかしげる。薫の返事を待っていたようだ。
「そうね。あの時は個々に自分たちの夢を見ていたけれど。でも、これは、誰かの夢の中にいるみたいね」
 進の瞳が輝く。守と似た表情……
「そうですよね」
 進がにこりと微笑むのを見て、薫は進から目をそらせた。
「あの時、自分は兄や家族に会えました。だから、今回も、あの時のように、会いたい人に会うことができたら、と少し期待していました」
(私も……)
 薫も同じように、また、守や真田志郎との楽しいやり取りができるのではないかと思っていた。でも、どうやら今回は違う。あの歌声を聴くことがなかった。唯一、桐生美影だけが歌声を聴いたという。
「彼らの中ではリッケが一番位が高い士官のようね。実質的にはバーガーが仕切っているけれど」
 薫は話題をそらした。
「ええ、バーガーは最初、粗暴そうに見えましたが、いろんなことに心配りできる人ですね。メルヒが納得できないときは、必ずバーガーがきちんと説明しています。我々に対しても、丁寧に接してくれています」
 『進は泣き虫だから』と、できる限り、年が離れた弟のことを守は気にかけていた。薫が見かけたことのある進は幼く、自分より体も小さかった。けれど、今は違う。ヤマトの旅が長くなるにつれ、考え方も体つきもずいぶん変わっていった。情報収集のためにこの星に降りたメンバーたちをまとめながら、ガミラスの4人についても、冷静に見て、判断している。
「バーガーがザルツ人に対して、好印象であったのが幸いしているわね」
「ええ。森君からは、ガミラス人はザルツ人を自分たちより下に扱っていると聞いていたのですが、バーガーやバーレンの様子を見ていると、そうでない人もいるのだなと感じました」
 進の顔つきが急に変わり、小声になった。
「やはり、我々が地球人だと名乗るのはまずいですか」
 進は罪悪感を感じているのだと薫は思った。
「戦術長、あなたはご両親を遊星爆弾でなくしているのよね」
 進の瞳が曇った。 
 薫はあわてて言葉を捜した。
「副長から聞いたことがあったの。以前」
「そうでしたか。確かにガミラスが憎くて、それが軍人になった理由の一つでした。でも、戦いや出会いによって、ガミラス人が自分たちと同じなんだと思えてきました。我々もガミラス人も、人としての誇りや夢や希望を持っています。分り合えるような気がするのです」
(あなたの中に古代守がいるのね)
 進の言葉を聴きながら、薫は進の姿ばかりを守と重ねていたことに気づいた。
(あなたは死んでしまったけれど、思い出の中の人になってしまったけれど、私はちゃんと生きなきゃ、ね)
「私たちが地球人だと名乗ることは当分できないわ。でも、こうして生活していくなかで、お互いの姿を見ていくことで、あなたと同じように、皆がそう思えるようになれば……」
 薫はふと、これは誰かから試されているのではないという考えが浮かんだ。その意図はわからない。けれど、人として、真摯な姿を見せていれば、何かが変わっていくような気がした。
「必ず帰りましょう、ヤマトに。そして、地球に」
 薫は微笑んだ。
「そうですね」
 進も笑みを返す。
「古代君、ヤマトに戻ったら、恋のアドバイスしてあげるから」
 進は顔を赤くする。
(これでいいのよね、古代君……)
 薫は困った顔をしている進の瞳をじっと見つめた。
「私にまかせなさい」




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 森功至さん、初ヤマトですか? 『星巡る方舟』で桐生パパでしたね。

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